どうも、だいぶんブログ更新しませんでしたが、なんとか元気です、おのPです!
椎名治美さんから、春夏帖でアレンジいただいた「浴衣の曲」についてまたお手紙いただきました!
ありがとうございます。
前回は、おのPさんバージョンの『浴衣の曲』解説でしたね。打ち合わせなしなので、一部内容が被ったりしておりますが、だいたいあえてそのままです。
こちらはおのPさんの過去作となります。原曲は十三絃が2枚、十七絃が1枚の構成(あれ、琴は「面」て数えるんだっけ?)で、その譜面とMIDIデータによる打ち込み音源、更に合奏によるアレンジされた別のバージョンの音源がありました。
「この曲を椎名さんにアレンジして頂きたいのです」そう言われて、軽い気持ちで返事してたものの、いざアレンジする段になって「それで椎名はこの曲をどうすればいいんだろう。どうしたらいいですかね?」とかよくわからない質問を投げかけてみました。ぶっちゃけ内心「そこは自由にやれよ」だったであろうおのPさんもさすがに困惑のご様子でしたが、ちゃんと一緒に考えてくれるのいつも助かってます。
おのPさんの曲の特徴として、急展開(序破急の「急」てきな意味)を入れていく曲がそこそこあります。秋冬帖の『さんまのうた』でも使われていましたが、曲中にテンポアップをして勢いをつける手法ですね。基本のテンポが変わるとビート感が変わるといいますか、単純に音符の置きかたも変わってくるので、基準をどう作ったものかと取っ掛かりで迷ったのですね。テンポアップしてからは結構走った速さの曲でしたが、相談の結果、椎名アレンジではそれよりも抑えてゆったりなテンポになりました。
テンポが決まったら今度は展開(と尺)を考えて組み直しました。原曲では速かったぶん、各パーツ8小節をひと固まりとして、2回使って前半後半で違うアレンジをじっくりとしていました。これはなかなか美味しかったのですが、ゆっくりテンポで全体それをやると間延び感が出てしまったので、主題のみ16(8*2)小節、他は8小節基準で組み立てました。展開を早めて短くなったぶん、ポップスで言うところ(?)の「落とし→大サビ」みたいなこともできて、主題をもう1回入れる余裕もできました。
主題は1琴メインメロ、2琴でハモリをやっています。これは原曲からの流れで、省略してはいけない要素でしたが、あえて自分らしくと和音の進行を変えていったせいで、ハモリを考えなおさねばならぬ事態になってしまいました。いつも何でも苦手と言ってる椎名ですが、四七抜き長音階(和風に聞こえる音階)のハモリってやっぱり苦手でして、和音に合わせるのか、メインメロの動きに合わせていくのか、先に書いた四七抜き長音階をどの程度守るか(守らないとせっかく和風感が薄れるため)、とか考えることいろいろあるのです。センスでちゃちゃっとつけられると楽なのにです。
編成は自分のなかでは「ああ、あのパターンですね」という定番のやつ。和楽器に加え、ストリングス・ギター・ベース・ドラムのアコースティックな編成。ちなみに囃子っぽいところの摺鉦イメージの音はお馴染みSC-88Proの音です。盤石である。
あとはめちゃくちゃ土壇場で、主題後半の……アレはなんていうんだろう。自分のなかでは一応オブリ?と呼んでいたけど、あの別旋律を入れました。たしか1回マスタリングしたあとに「やっぱ寂しい!何か入れる!」ってなって急遽その場で入れたのであった。
十七絃の録音やミックスもなかなか大変だったようです。でした。やっぱりよく識らないものを使うと、よくわからない譜面になります。自分の中での低音部というのは、ピアノの左手だったりエレキベースだったりが多いので、そういう感覚で打ち込みをしてしまいますね。もし次使う機会があれば、もう少し考えて作ろうと思いました。主にしっかり休符をとることでしょうか。そういえば休符が多いベース苦手だなと乙女椿作ってるときに考えてました。埋めたい。
さてさてそんな感じで、だいぶ長くなりましたが『ゆるふわ春夏帖』から2曲ぶんのコメントはそろそろ締めようと思います。聞きたい(読みたい)のはこういうことじゃねえんだよ!みたいなご意見とかありますでしょうか?こう一人で黙々とテキスト書くのは苦手でして、聞かれたほうが答えやすいかなあとか思います。たぶん。
それでは、浴衣の子とキャッキャウフフとかしてみたい人生であった。できればメガネメガネ。
いかがでしたでしょうか?
和風の曲を作るといっても、ぼくと椎名さんとは、書き方も考え方も全然違う感じです。
すごく尊敬しているわけですが、ぼくと椎名さんの二人の音楽が、重なって聞こえているならうれしいなと、そう思うのです。
ちなみに、お琴の数え方は、1面、2面です。(*´ω`*)